ジャンクSPORTS
制作部長室

先週の"世界フィギュアウィーク"は日本人選手の予想以上の活躍で大変な盛り上がりでした。なかでも注目の女子フリーは番組平均で38.1%、瞬間最大で50%を越える歴史的な中継になりました。

私も浅田真央選手の滑走中から涙が溢れ、演技を終えた後の彼女の安堵の表情をみた瞬間には、恥ずかしながら号泣に近い状態でした。
思い起こせば、スポーツ観戦での涙は昨年のトリノオリンピックの荒川静選手の金メダル以来ですから、フィギュアスケートが、余程日本人が感情移入しやすいスポーツである事を身を持って体感する事になりました。

それにしても、安藤美姫選手の金メダル、浅田真央選手の銀メダルにはドラマがありました。

今回の女子フリーは前日のSPの結果、抽選によるラスト6人の演技順、そして大逆転の日本人1,2フィニッシュまで、全てがテレビ的には最高の展開になりました。
そんな中、ライバルの外国人選手が文字通りバタバタと転倒していくシーンは、実は日本中が小さくガッツポーズに違いないのですが、中継ではそこに過敏に反応する事はありません。
そこであからさまに"はしゃいで"しまうと制作者や観る側の品格を問われます。
あるいはスポーツに関する文化的な成熟度を問われているといっても過言ではありません。
野球やサッカー、あるいは格闘技の様な1対1の戦いは相手のミスがそのままこちらのチャンスなので、応援する方も相手のミスのタイミングで大っぴらに声援を送る事が出来ます。
実況アナも余計な気を遣う必要がありません。
しかし、フィギュアスケートの様な採点競技、あるいはゴルフの様にポイントを競い合う競技では、昨日の様な展開はしばしば起こりうる事です。

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