ジャンクSPORTS
制作部長室

当時、日本では既に大スターのアンディも地元に戻ると"知る人ぞ知る"レベルの認知度しかありませんでした。
スイスでの彼は選手兼プロモーター、従ってテレビを使ったプロモーション手法に関して僕はアンディからいつも質問攻めにあっていました。
彼のコーディネートでリングスポーツを中継した事のなかった、スイス国営テレビのスタッフにフジテレビが"技術指導"した事もありました。

そんなアンディの努力が実り、晩年にはスイスにおけるK-1人気は大変なものでした。
何せ、国営テレビの中継視聴率が50%を超えてしまったのですから!
当時、スイス人の世界的なトップアスリートはテニスのマルチナ・ヒンギス選手でしたが、同じ時期に行われる彼女が出場した全仏オープンの女子決勝を遥かに上回る視聴率を獲得していたのです。

日本での葬儀の後、私はアンディの地元スイスで行われた告別式にも出席しました。そのお葬式は僕の予想を遥かに上回る盛大なもので、地元メディアもアンディ一色に染まった事に非常に驚きました。

正直に告白しますと、K-1初期の頃はアンディに関して「地元スイスでも国民的英雄の…」といった多少誇張された紹介を"期待も込めて"日本国内で行っていました。
しかし、晩年は虚像に実像が追いつくどころか追い越してしまった事をそのお葬式は私に教えてくれました。

アンディ、君の育てたK-1は今では世界中で大人気ですよ!

8月1日

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