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プレミアムステージ特別企画
犬神家の一族
■インタビュー■
星 護 〜監督〜
Q.70年代に映画で一世を風靡した『犬神家の一族』を、今回はどう捉え、どう作ろうとしたのでしょうか?
A.『犬神家の一族』は推理小説、サスペンスストーリーの代表作のようなもの。最初に話を頂いたとき、非常に興味を覚えました。まして以前お仕事したことのある稲垣さんが金田一ということだったので、非常に魅力的に感じました。ただやはり一番気になったのは、市川崑版の存在。改めて見直したら、やはりものすごく面白かった。これは作り直す必要がないんじゃないかというほど面白かったんです。だから、どう料理しようかわからないままではあったのですが、非常に魅力的な企画だったので、喜んで引き受けました。
Q.撮影の際に一番こころがけたこと、監督の中で何かイメージされたことがあれば?
A.横溝作品は知識としては知ってはいたが、実はあまり読んだことがなくて改めて読み直しました。そしたら非常に面白かった。ストーリーの奇抜さというか、ディテール、細かい部分の気配りなど、ほとほと感心したんですね。それで、この原作に忠実にやりたい、原作の面白さを映像で表現したいと直感しました。そういう思いであらためて映画の石坂浩二版、テレビの古谷一行版などを見直してみると、やはり作品ごとにちょっとしたアレンジというか独自の解釈を入れている。今回、自分の独自の解釈を入れるかもしれないし入れないかもしれないけど、原作の良さだけは生かしたいと思いました。
市川版は2時間半というかなりの長さであそこまで描きこんでいましたが、今回の作品でも幸いなことに3時間の枠があり、20分のプロローグを足したにしても、同じくらいの長さを『犬神』に充てることができました。撮るのは大変でしたが、ストーリーを物語るためにあの尺は助かりました。
イメージという点では、脚本の佐藤さんやプロデュースの面々と原作を脚本に移し変える作業の中、徐々にまとめあげていったのですが、いかに現実の風景、現実のお芝居にあてはめるかという点では、実は毎日撮りながら次第に形になっていった…初めて会う人の性格を知っていくかのように、この作品の性格を日々知っていったのです。
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