積木くずし真相
〜あの家族、その後の悲劇〜
- ストーリー(前編) -

大手出版社、杉原憲一(藤木直人)のデスクに、一個のダンボール箱が送られて来た。送り主は、高円寺の喫茶店『ハーティー』の智子ママ。訝しがりながら杉原が箱を明けると、エプロンなどの女性の持ち物と思われる物が出てきた。その中にあった写真から、朋美(安達祐実)のものだと気づく杉原は、ダンボールの一番下に一冊のノートを発見。ノートを読み始めた杉原の顔色は、驚きと怒りに包まれ…。
杉原は、とある劇場を訪ねる。その目は、稽古中の稲場信悟(舘ひろし)に注がれていた。稽古を終えた稲場は、杉原に娘、朋美の葬儀で世話になったと礼を述べ、用向きを尋ねる。すると、杉原は通夜の席で稲場が口にした「娘は幸せだった」という言葉の真偽を問うてきた。稲場は「そう思う」と答える。その言葉を受けた杉原は、そう考えた方が稲場自身、楽だからではないか? と『積木くずし』の本を出し、稲場が朋美を殺した本だと突きつけた。さらに、杉原はこの本を書いた時も現在も、稲場は朋美の父親であったことなど一度もないと言い、この本に懺悔すべきだと続ける。杉原は、朋美の真実を告白する本を書くべきだと、親になれなかった真実の姿を告白するべきだと稲場に迫った。

23年前、一人の俳優が書いた一冊の本『積木くずし』が日本中に大センセーションを巻き起こした。小説は、俳優である稲場と妻、静子(杉田かおる)の間に娘の朋美が誕生した時から始まる。幼い頃、病弱だった朋美は、中学生になり健康を取り戻したかに見えたが、一年生の終わりごろから突然、不良仲間と付き合い始め、当時おきまりの非行少女への道へと急落していく。更生をめぐる稲場夫婦と朋美の200日に及ぶ格闘。そこに改善への希望が見えて来たところまでが『積木くずし』で描かれた。だが、同小説により名声はもちろん、莫大な収入をも得たかに見えた稲場家には、その大ヒットの裏に真の家族崩壊"積木くずし"が忍び寄っていた。そこには、朋美だけが知る"真相"が隠されていたのだ。

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