実録・小野田少尉
遅すぎた帰還
- インタビュー -
[Q]鈴木紀夫という人物については、どう思われますか?
「著作を読んでいると、鈴木さんは小野田さんとは正反対で、『らしさから逃げよう』としていた人だと思います。『らしく生きる』小野田さんとは対照的に、『らしく生きたくない』鈴木さんとの対比がうまくできればと思います。もしかすると、冒険家という肩書きも彼にとってはふさわしくないかもしれませんね。何かの肩書きに縛られるのはいやだったかもしれませんし。『自分が小野田さんを発見したのではなく、小野田さんが自分を発見したのだ』と鈴木さんご自身もおっしゃっています。「狭い日本には住み飽きた!」という台詞もありますが、それも多分逃避でしかないとも思えるんですけどね。
『大放浪』という彼の著作を初めて読んだ時、腹が立ってしょうがなかったんです。若い男が逃避したくて、でもカッコつけたくて、自分の行動はいちいちカッコつけてて、それでもやっていることは全く子どもという…。何を甘えたこといってるんだよ、と。25にもなって「大人ってオレのことわかってくれない」と発言しているんです!それって、ものすごく幼いですよね。
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