浅見光彦ｼﾘｰｽﾞ21
熊本･菊池伝説
殺人事件
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東京駅から､博多行きののぞみ号に乗り込み､窓際のｼｰﾄに座ると､息をはずませた若い女性が光彦の隣の席に座った｡しばらくすると､隣の女性(中山ｴﾐﾘ)が泣いているのに気づく｡光彦は｢こちらにお座りになりませんか｣と窓際の席を譲る｡
光彦が博多駅から鹿児島本線に乗り換えると､またしても､先ほどの女性と隣り合わせた｡聞けば､行き先も偶然にも､熊本と同じだ｡女性は菊池由紀と名乗った｡
熊本駅前で､ﾀｸｼｰ乗り場に向かう由紀を見送った光彦の背後から肩をつかむ男がいた｡長野県警の丸山刑事(鈴木ﾋﾛﾐﾂ)だった｡刑事たちは｢あの女とどんな関係ですか｣と光彦に詰め寄る｡
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