対馬の海女文化は800年前、日本の海女発祥の地とされる福岡県鐘崎の海女が対馬の曲(まがり)という地区にやってきたことから始まったと伝えられていた。曲の海女たちは島の殿さまにある理由から優遇され、対馬全域での海女漁が特別に許されていたのだ。曲の海女は一年中船で暮らし、島を一周しながら漁に励んだ。真冬でも潜水を優先させフンドシ一枚、全国屈指の潜水技術でたけだけしく海に潜った。そして、その歴史は戦後まで脈々と受け継がれていた。実は秀子さん、戦後まで続いていた対馬全域の海を知る由緒ある曲の海女だったのだ。番組の見所は伝統の海女・秀子さんの潜り。そして島で暮らす日々から見えてくる海女としての人生、対馬の現状。
83歳の秀子さんは夫を亡くし一人暮らし。近所に住む幼なじみの海女・愛子さんや隣に住む小学4年の百花ちゃん、地元漁協、地域に住む人たちと触れ合いながら過ごしている。海に入れることが何よりの幸せ、しかし昔に比べ海の環境は変わり、思うような漁はできない。対馬全域の海を知る由緒ある海女はわずか3人になった。島に伝わる珍しい風習や祭りはどんどん失われていく。日本の10年先の姿を映すといわれる離島、対馬の過疎・高齢化も深刻だ。
その一方で韓国人観光客は人口の6倍以上、年間21万人を超し、低迷する経済を支えている。自然と周りが変わっていく中、秀子さんは潜り続ける。一日でも長く潜れるよう無理はしない。自分の身体のことは自分が一番よく分かっている。都会で働く二人の息子はそれぞれ家庭を持ち、めったに帰ってこられない。そうしたある日のこと、長男が数年ぶりに島にやってきた。離れて暮らす親子には考えなければならい現実があった。自然にあらがわず、たくましく生きる海女さんを通し、自然、家族、人生を問いかける。
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