働きたくても働けない 障がい者の声を聞け
第25回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『働きたい-障がい者雇用の壁-』(制作:新潟総合テレビ)
<10月18日(火)26時55分〜27時50分>

もし障がいがあったら…。それだけで就職が厳しい現状がある。新潟県の障害者雇用率は全国平均を下回り、過去には全国46位の年もあった。障がいのある二人の男性と就業を支援する女性との就職活動に密着。そこには、働きたくても働けないもどかしさと将来を心配する家族の姿があった。一方で企業側はなぜ障がい者を雇用しないのか…。障がい者雇用を広めるためには何が必要なのかその壁に迫った。

もし右肩が上がらなかったら…、もし交通事故にあって障がいが残ったら…、そして、もし自分の子どもに、自分の家族に障がいがあったら…。
私の従兄弟には全介護を必要とする重い障がいがある。小さい頃からそれが普通だったので、深く考えたことはなかった。しかし、ある日突然祖母に「親が死んだら従兄弟をお願いね」と声をかけられた。そのとき初めて、従兄弟の将来はどうなるのか真剣に考えた。恐らく彼は働くことはできない。それでも障がいのある人の中には働けるのに働けない人がいるのではないか。環境が整えば自立できるのに、環境がないことによって自立できない人たちがいるのではないか。そういった人の親や家族はどう思っているのだろう。それがこの障がい者雇用をテーマにしようと思ったきっかけだった。
新潟県の障害者雇用率「1.85%」。これは全国平均には届かない数字だ。2010年から5年間の雇用率も全国平均を下回り、全国46位の年もあった。一方で、今年4月には障害者雇用促進法が改正され、2年後には精神障がい者が障害者雇用率に算定される。企業側は障がい者を積極的に雇用しなければいけない社会が来ているのだ。しかし、新潟県にのみならず全国の障害者雇用率の平均は法定雇用率に満たしていない。一体なぜ障がい者雇用は進まないのか…。

先天的に身体障がいのある星島健太さん(25)は就労移行の支援を受けながら就職を目指す。しかし、支援を受けることができるのはわずか2年。期限が迫るなかでも、自分の見つけたい仕事が見つからず、働く理由も見つけられなかった。そんななか、星島さんの就業を支援する就業支援員の樋口督水さん(37)は厳しい言葉を突きつけた。「本当に働きたいのか?」この言葉で心を動かされた星島さんは徐々に働きたいという思いに変化が出る。仕事へのイメージが持てないことでの不安や心配な思いが先立ち、なかなか一歩を踏み出せなかったが、支援員と家族が背中を押し、一歩を踏み出そうとする。そこには障がい者側にも踏み出さなければならない一歩、変わらなければいけない一面があった。と同時に、一つのきっかけで大きく成長する姿があった。

次へ

番組・イベント情報へ
0.とれたてフジテレビ TOP

(C)フジテレビジョン