15歳の時に交通事故に遭い重度の身体障がい者となった千原哲也さん(44)。企業で働くことが困難な人の通う福祉施設で作業訓練をしている。健常者から障がい者に変わった人生。母親は「息子を残しては死ねない」と話す。グループホームに暮らすなど自立に向けて歩んでいるものの、障がいがあることでの家族の不安は尽きない。そんななか、千原さんは「社会に出て少しでも障がいのことについて理解してもらいたい」と樋口さんに思いを伝える。千原さんが働ける企業はどこか…。全国では障がい者に配慮した特例子会社が数多くある。山梨県には重度の知的障がいのある人たちが働く特例子会社があり、どのようにして障がいの特性を生かしているのかを示していた。しかし、新潟市には全国の政令指定都市では唯一特例子会社の本社がない。千原さんのような重度の身体障がい者の働ける環境が少ないのだ。そうした環境の中でも就職活動を始めた千原さんと樋口さん。どんな仕事ができるのか、企業の実習を受けた千原さんだったが、そこで見えたのは厳しい現実だった。
法律により障がい者の雇用が義務づけられている企業。雇用しなければならない思いとは裏腹に、障がい者が働ける職種がない、などの意見も聞かれた。一方で雇用している企業からは障がい者雇用をやって良かったとの言葉が多く上がる。取材した20人を超える働いている障がい者はみな働ける喜び、幸せをかみしめて働いていた。より多くの障がい者が健常者とともに当たり前のように働ける社会の実現には何が必要なのだろうか。
【ディレクター・若井俊吾(新潟総合テレビ報道制作部)コメント】
「"親がいなくなったら従兄弟をお願いね"。祖母に言われたひと言がこの番組を作るきっかけになりました。働きたい意欲があるのに働ける環境がない。それによって家族が抱く将来に対する不安というのは計り知れません。また、取材を進める中で障がいのある人への偏見の根深さなども同時に感じました。この番組ではモザイクを一切かけていません。テレビに出たくないという方はおられました。家族が出したくないという方もおられました。それでも、勇気を出して取材に答えていただいた方はたくさんおられました。それはこの現状を何とかしてほしいという彼らの強いメッセージなんだと思います。
障がいのある人お一人お一人に個性があります。この番組を通して障がいのある人への見方、接し方が変わり、一人でも多くの障がいのある人が働けたらと思います。そして、より多くの障がいのある人が自立でき、家族が安心できるような社会になればと思います」
【番組概要】
◆番組タイトル
第25回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『働きたい-障がい者雇用の壁-』
(制作:新潟総合テレビ)
◆放送日時
10月18日(火)26時55分〜27時50分
◆スタッフ
◇プロデューサー
鷲津史彦
◇ディレクター
若井俊吾
◇撮影
韮澤由起夫 他
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