気象庁は先月、長期予報発表にあたって、以下の点を考慮して長期予報を発表しました。
難しい言い回しですが、言葉に微妙なニュアンスが含まれているので、気象庁に取材した内容をそのまま書き出します。
(1)冬平均気温や冬季の大気の流れの長期傾向から、1980年代後半からの極端な暖冬傾向は弱まった。しかし「低い」階級は現れていない。
(2)北半球対流圏の平均気温は高い状況が続いている。
(3)エルニーニョ監視海域の海面水温はラニーニャの傾向を示している。
今回の発表で、その後変化が現れたのが、上記(2)の北半球対流圏の平均気温で、前回に比べ下がってきたということです。これについて気象庁は月々の変動を考慮するとこの冬は平年並み〜高いと考えられるということです。また上記(3)のエルニーニョ監視海域の海面水温の状況も、ラニーニャ現象がハッキリしてきました。この傾向は少なくともこの冬は続くという予想です。ラニーニャ現象時には、11月の平均気温が低い〜平年並みのことが多いということですが、これについて気象庁は11月のここまでの気温は平年を上回っており、日本付近の地上気温の下がり方は緩やかであると見ています。
つまりこれらのことから、ラニーニャの冬は暖冬になりにくいのですが、最近はラニーニャでも暖冬になりますし、11月に状況も日本の気候はラニーニャに左右されてはいないのです。また、10年ぐらいを1つの単位としたスパンで見てみると、ピークは超えたものの暖かい冬になりやすい周期の中であるということです。
ただ、10月と比べて、状況に変化もあるので、やはりリスク管理という点では寒い冬になる確率も20%あるということを押さえておいた方が良いようです。
(三井良浩)
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