役者魂!
-Story-
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瞳美の言葉に､自分を取り戻した本能寺は､引き締まった表情で舞台へと戻っていく｡しかし､舞台に戻ったものの､気が入らずに呆然と立ち尽くしてしまう｡里奈は蒼ざめ､舞台の袖にいたｽﾀｯﾌたちも､再び凍りつく｡舞台で立ち尽くす本能寺に呆れた観客の何人かが､帰りはじめたそんなとき､どこからか｢残酷ではないか､わしを墓から掘り起こすか｣と､本能寺が言うべきｾﾘﾌを読む瞳美の声が聞こえてくる｡舞台のｾｯﾄの陰から､本能寺をﾘｰﾄﾞするようにｾﾘﾌを読み上げているのだ｡これに､反応した本能寺は､そのままなぞるように､ｾﾘﾌを続ける｡そして､しばらくすると､感情が入り､自分自身でｾﾘﾌを言うことができた｡一同がﾎｯとしたのもつかの間､今度は､相手役の里奈が､桜子に見えてしまい､
｢別れたくない!｣と言って､抱きしめてしまう｡すると､今度は､舞台に道化の格好をした柳沢が出てきて､本能寺を盛り立てかのように､軽快な動きとｾﾘﾌで場をつなぐ｡これで､目を覚ました本能寺は､本来の力強い芝居で観客を魅了しはじめる｡
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