『わが家の歴史』
[インタビュー]

Q.八女家の家族構成やキャラクターはどのように決めたのでしょうか。一攫千金を夢見て無謀な商売をして失敗ばかりする父・時次郎(西田敏行)を筆頭に、五人の子供たちも、みんなとても個性豊かですよね。

これも逆算なんです。あの時代に活躍した人たちには、手塚治虫や糸川英夫みたいに当時を引っ張って行った人、古川ロッパのように取り残されてしまった人、それを冷静に見つめていた永井荷風…というように、それぞれ役割みたいなものがあって、とにかくそういう人たちをたくさん出したかった。でもさすがにひとりの人間が全部に関わるのは不自然だから、家族の人数を増やそうということになり、彼らがそれぞれの生き方をすることによって、いろんな人たちにかかわっていくのはどうか、というところから五人兄弟が見えてきました。
鬼塚大造(佐藤浩市)と八女時次郎は、鏡の表裏というか、あの時代の波に乗って成功した人と、乗り切れなかった人。両者ともあの時代の庶民の象徴という気がして、僕の中ではふたり同時にキャラが成立していましたね。
それから、実は家族構成を考えた時に、僕が思い浮かべたのが、鎌倉時代の話なんです。鎌倉幕府を作った源頼朝の妻・北条政子の北条家は、もともと関東のちっぽけな豪族だったのが、娘が頼朝に嫁いだことによって力を持ち、やがては鎌倉幕府を牛耳るまでになる。その北条政子から、八女家の長女・政子(柴咲コウ)の名前をつけました。父の時次郎は、北条政子の父・時政からだし、鬼塚大造は源頼朝というわけなんですよ。

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