ヴォイス
-INTERVIEW-
Q.世の中になくてはならない職業なのに､現実はかなりﾊｰﾄﾞですね｡
実務の内容も肉体的･精神的にﾊｰﾄﾞだと思いますよ｡解剖したらそれで終わり､ではないですしね｡そこからご家族や警察に説明もしますし､裁判で証言しなければいけないときもあります｡そんなときには､ﾃﾞｼﾞﾀﾙ的な医学用語をｱﾅﾛｸﾞ変換して､なるべくわかりやすく説明するんですが､それも凄く労力がいる仕事です｡僕は､もう慣れちゃいましたけど､そんな労力に対しての見返りは少ないし､誰からもﾘｽﾍﾟｸﾄされないっていうのでは､なかなかﾓﾁﾍﾞｰｼｮﾝがあがりませんよね(苦笑)｡そういう現実があるから､職業として法医学者を選ぶ人が少ないんだと思います｡ただ､面白いことに学生さんは法医学に興味を持っている人が多くて､解剖に参加させてほしいという要望も多くあります｡そういう現場を経験した学生は､きっといい臨床医になると思うんですよ｡学生のうちに､死者からのﾒｯｾｰｼﾞや医学的ﾌｨｰﾄﾞﾊﾞｯｸを肌で感じられることは､貴重な経験であり､生涯を通しての財産になりますから｡
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