ヴォイス
-INTERVIEW-

Q.欧米に比べて、日本の法医学は遅れを取っているのでしょうか?

学術的に遅れを取っているかどうかは断言できませんが、まず、解剖率は全然違いますね。例えば、フィンランドでは、解剖率は100%に近いですよ。これは異状死体に限ったことではなく、普通に亡くなっても解剖が行われるのが一般的なんです。それは、国内で施設が整備されているというのはもちろんですが、身内が亡くなっているのだから死因を知るのは遺族の権利だという考え方があり、さらに、死者から生者への医学的フィードバックがあることを理解しているからです。日本は、火葬が一般的で、焼いてしまったらおしまいという考え方もありますし、また、ご遺体は神聖なものだから、そこに手を入れるのは不浄という考え方も強いと思います。そういう、いわば哲学的・宗教的な違いもあると思います。

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