ヴォイス
-INTERVIEW-

Q.解剖が必要な遺体のほとんどが解剖されないというのは、なぜですか?

言い方は悪いですが、もともと日本は、死者にお金をかけない国なんですね。どこかに、人は亡くなってしまったらそれでおしまいで、逆に生者にお金をかけようという感覚があると思うんです。だから、行政や国から解剖に必要なお金が出ないことが理由のひとつだと思います。僕の職場でも、解剖数の増加に伴って、アルバイトの人を雇おうと思ってもできませんし、消耗品すら満足に買えないというのが現状なので。ちなみに、うちの法医学教室の解剖台なんて30年以上も使っていてボロボロだったんですよ。それを、去年、やっと買い換えてもらえたくらいですから。

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