海猿
-物語-
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威嚇射撃の予定時刻が来た。船上に発射音が鳴り響く。「撃ち返すな」と願う大輔の希望むなしく、不審船は応戦。闇の海上に光が炸裂し『ながれ』の船体に着弾する。船体に穴が開き、窓が割れ飛ぶ。吉岡哲也(佐藤隆太)が必死でビデオ撮影を続ける。「正当防衛につき、応戦せよ」。勝田孝太郎船長(夏八木勲)の命令が下った。大輔の号令と共に引き金を引く池澤。光の筋は交錯し、池澤の弾も不審船に着弾する。敵の攻撃が止み「もう止めましょう」と叫ぶ大輔を無視し撃ち続ける池澤。と、不審船が爆発。「被弾か?自爆か?」。本部も色めき立つ。不審船はあっという間に沈没してしまった。放心する池澤と大輔はその場に立ちすくんだ。
夜が明け、不審船の捜索が行われたが、何かを特定できる残留物は浮かんで来ず、不審船の引き上げも難しかった。大輔はゴム手袋を引き上げたが、手掛かりにはならない。だが、その手袋が「誰かのもの」というリアリティに、大輔は罪悪感を倍増させた。

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