1リットルの涙
-Introduction-
ストーリーのもうひとつの核となるのが、わずか15歳で突然難病に侵され、障害者となっていく娘と、家族はどう向き合い支えていくのか、やがて死にゆく娘をどう送り出すのかというテーマです。「丈夫に産んであげられなくてごめんね」と心の中で涙しながらも、とびっきりの笑顔で亜也を明るく包み込む母・潮香。一方、誰よりも明るく人情に厚い父・瑞生は、商売を切り盛りしながら亜也を深い愛で励まし続けます。そんなふたりをはじめとする家族や周囲の人間たちは、亜也を「鏡」に、それぞれに心を揺さぶられ、生きることに真摯に向き合い変わっていきます。コンプレックスを感じていた姉が病気になっていくことに戸惑う妹・亜湖、明るさと無邪気さで亜也を勇気付ける弟妹たち。亜也との触れあいを通じて、医療の立場だけではない患者との向き合い方を見出す医師・水野、亜也のまっすぐな性格に惹かれ、彼女に恋することで縛られていたトラウマから解放されていく恋人・遥斗、病気の亜也に対し悩みながらも向き合おうとする同級生たち――。ドラマは、悩み、苦しみながらも互いを愛し、生きぬこうとする親子の関係を軸に、恋や友情というかけがえのない輝きを必死で追い求める亜也と友人たちの青春を生き生きと描きます。そして、不治の難病に対峙した医師が患者とどう向き合うのか、医療の限界と可能性はどこにあるのかというテーマも、事実に基づいたリアルな描写を通じ、追求していきます。
亜也の「生きたい」という叫びと、その亜也を支え続けた家族と周囲の愛を描くことで、人生は苦しくも素晴らしいというシンプルでも力強いメッセージを伝えます。生きる意味を見出せない現代の人々に、限りある生でも精一杯全うすることの輝きを目にしてほしい、そしてそれが家族であれ恋人であれ、人を愛し、愛されることこそが生きる証だと感じてほしい――それが、ドラマ『1リットルの涙』のテーマです。
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