1リットルの涙
- Story -
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亜也は、机の中に忘れた日記を取りだすと、いたたまれないような気持ちで教室を出た。その後を追った遥斗は、階段の踊り場で泣いていた亜也を背負って階段を降りると、車椅子に乗せた。
やがてふたりは、初めて出会ったあの歩道橋にやってきた。泣き続けていた亜也は、無理に笑顔を作ると、黙っていないで話をしてほしい、と遥斗に声をかけた。すると遥斗は、クラスメイトに偉そうなことを言っても何もしてやれないのは自分も同じだ、と言って涙を堪えた。そんな遥斗に亜也は、いつも一緒にいて励ましてくれた、と感謝した。「ありがとう、麻生くん…バイバイ」。亜也の言葉に、崩れ落ちるようにして嗚咽する遥斗。そんなふたりを粉雪が包み…。

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