1リットルの涙
- Story -
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同じころ、潮香は、水野に紹介された養護学校を訪ねていた。そこで潮香は、亜也と同じ病気と闘っている18歳の少女・明日美(大西麻恵)と、その母親の菊枝(かとうかずこ)に出会う。
菊枝は、中2で発病した明日美を普通の高校に通わせるために受け入れてくれる学校を探し回り、何度も転校させたのだという。が、いまではそれが間違いだったと思っている、と潮香に告げた。「結局、養護学校に行くのが嫌だったのは私なんです。もっと早く、あの子をここに連れてくるべきでした」。菊枝が潮香にそう言うと、離れた場所で本を読んでいた明日美が顔を上げた。ふたりの会話を聞いていた明日美は、潮香の方に近づくと、病気のことを本当に受け入れられるようになったのはこの養護学校に来てからだと潮香に言った。「病気になったのは、不幸じゃないです。不便なだけ」。そう言って明るい笑顔を見せる明日美に、潮香も微笑み返した。

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