1リットルの涙
-Special-

[Q]亜也さんの日記が、もう20年もずっと読まれ続けて、映画になり、ドラマになりました。お母さんから見て、何がそんなに人を引きつけていると思いますか?

みんながそういう風に思う前に、自分自身が感じたんですね、「あ、この子に教わること、いっぱいある」と。だから、私は育てたけど、育てられた部分の方が倍もあったな、と思うんです。あの子を見習って、自分の中に取り入れた部分がいっぱいあったんです。だから、本にすることも出来たのかな、とも思うんです。初めは、本を出したいというのは、あの子が何にも生きてきた証なしでこの世から消えちゃうという無念さ…こんな人生じゃなかったはずだ、という思いのまま送り出したくない、というところから始まってるから、周囲のお友達とか、身内とか、行ってた学校だとか、ホントに亜也の身の回りの範囲で出版を考えてたんです。亜也の身の回りで、「亜也ちゃん、ありがとね」「亜也ちゃん、一緒に生きたね」というように、「亜也ちゃん」という言葉を使ってもらえるんなら、亜也も自分の存在に意味があったと感じてくれる、と。それが、当時自費出版なんてことをする人もあまりいなかったもんですから、どうやって自費出版したらいいのかっていうことを、たまたま新聞社の人に聞いたのがきっかけで…。記者の人がそれを読んで、「これはもう自費出版の枠じゃない。もっと大々的に出した方がいい」という薦めがあったからなんです。だから、そういう世の中の反響とか、いろんなことに一番驚いているのは亜也本人、また私たちだったんです。「何故?」というのはずっとあったんですけど、いただくお手紙を読ませていただくと、みなさん、自分の中に取り入れてるというか…。教科書でも何でもない文章ですけど、いろんなところを拾ってくれているようです。感じるところは人それぞれのようですけどね。この前も、熊本でトラックの運転手をやってるという方が「俺がグレとった15、16にこの本に出会っとったら、俺の人生変わっとったよ」って電話くれたんです。だから私は、「そのとき(もう本は)出とったよ!」って(笑)。結構、男性も読んでくれてるんですよね。

もどる
スペシャルTOP
0.1リットルの涙TOP

(C)フジテレビジョン