裸の大将
-* ものがたり *-
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夕方。川沿いの道を歩いていると、清はヨメ子に出会ってびっくりする。ヨメ子は「盗んだのは自分なのに、どうして、金の布袋を持っていたのか」と清を問い詰める。清は、ヨメ子が金の布袋を隠すところを見てしまい、ヨメ子を泥棒にしたくなかったのだ。「清さんには関係ないでしょ!」と言ったヨメ子の体がグラッと傾く。熱があるヨメ子を水車小屋の中で必死に看病するが、ヨメ子の額は熱いままだ。困った清はヨメ子を連れて、留美の家に行く。
清に看病されながら、ヨメ子は身の上話をする。実家が旅館のヨメ子は、父親が亡くなると、母親の貞子が前にも増して忙しくなり、かまってもらえなくなった。貞子の財布やお客さんの大事なものを隠すと旅館中が大騒ぎになり、それがおもしろくてクセになってしまったという。泥棒のクセを治すため、学園に入れられたのだ。勝沼が、枇杷の実を盗んだと清の頭をたたいた時、ヨメ子はムカッときて、金の布袋を盗んだという。

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