素直になれなくて
- Special -
Part 1『The Emotion』
中でも花をモチーフにしたものが多いと思うのですが…。
鈴木:
そのとおり!今回はお花のモチーフを結構つかっていて、通常は派手すぎて使わない花柄の壁紙も使っています。天井や壁にいろんなお花が咲いてるという印象が強いですね。ニューヨークっぽい感じを出したいと思っていて、気づけばほとんどが輸入の壁紙に…。これは結構、プロデューサー泣かせで、日本の壁紙よりも幅がせまくて、倍ぐらいの値段がするんでコストはかかっちゃうんですけど、それだけの効果はでていると思います(笑)。こげ茶の天井にピンクの花っていうのは普通は浮いてしまうんですけど、『エモーション』だとこなせるというか…。その花柄が浮かないようにいろいろな花のモチーフが各所に散っています。
実は重要な場所でもあるトイレについては?
鈴木:
トイレだけは少しモダンに振っているというか、もう少しハイセンスにしてあるんですけど、合コン目当てだったりする女の子が戦闘準備をするような場所として(笑)、相応しい場所にしたかったので。合コン居酒屋ではないんですけど、Twitterという新しいメディア、変わったメディアで知り合った人たちが集まるので、いやらしさがあまりでないというか、「大人っぽ過ぎない」というのは今回大事にしています。
先ほど、「みんなで集まるときと、2、3人の限定的なメンバーで集まるときでは背景が違う」というお話がありましたが、まさにすべての面が画になるお店ですよね。
鈴木:
この中でいろんな芝居が組めるように考えました。大体ドラマって、1話2話で構図が決まって、ずーっと同じ構図のところにみんなが集まって…となってしまう。でも、メンバーの気持ちも変化していくし、成長していく。それなのに決まった1箇所しか描かれないっていうのもおかしいなと思うんです。だから、今後もしかしたら反対からの方が軸になるかもしれない。今回、とても印象に残っているのは上野樹里さんが初めてこのセットに入ったとき、しばらくセットからでなかったんです。待ち時間に楽屋に引っ込まないで、しばらくソファー席に座って飾ってある本を片っ端からめくっていた。彼女はすごく役作りを徹底する女優さんなので、「こういう本が置いてあるってことは、こんな人たちが集まる場所なんだろう。それならば私はこういう感性であるべきかな」っていうことを考えたんだと思うんですね。そういうのを1つ1つ細かく見て回ってくれていたので、「こういうトーンの人たちが集まりたいところだよ」っていうこちらからのメッセージが伝わってすごく嬉しかったです。
ちなみに、『エモーション』という名前の由来は?
鈴木:
emotionという単語には、「情緒」「感情」「感じた瞬間」というような意味がありますが、そういうことですかね(笑)。場所、場所で感じた瞬間、心が動いた瞬間が切り取られるための場所、ということで。このお店、当初、昼はデリスタイル、夜は完全オーダーっていう話があったんですが、夜でもドリンクとかはカウンターにオーダーしに行ってもいいね、っていう話になって。結構、自由なキャラが多いので、つまみ食いとかしだしたりするんです。気持ちでそのときお金を置く人もいるだろうし、後で申告してまとめて払うとか…その辺は緩いですね(笑)。
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※PCサイトでは『The Emotion』のセットを作る上で使用した、デザイン画、青図をご覧になれます。
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