素直になれなくて
- Interview -
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中島圭介(ナカジ)役 瑛太さん
今回演じるナカジというキャラクターに関して、どのように捉えていますか?
ナカジは、理想とか夢を追いかけて前向きに生きようとしているんだけど、そこにしがみついていて、つまずいている自分にも気付いている感じ。その葛藤の中で生きていて、ツイッターを通していろんな自分を表現しながらも、弱みは見せないんです。自分の中で楽しくやっていきたいなとは思っていたけど、じゃあツイッターを通して実際に会ってみようってなった時に、自分自身の確固たる存在みたいなことに対して、やっぱりまだ歪みがあるし、何かにすがりたかったり、甘えたかったりしている。セリフにも『自分は中途半端なんだ』っていうのが出てくるんです。あと「甘えないぞ」「俺はカメラマンとしてひとりでやっていくんだ」という思いもある。写真が好きだから。お父さんの影響もありながらも、写真が好きなんだということで、自分をちゃんと型にハメてはいきたいんだけどまだ経験も浅いし…。カッコつけてるのかな。だから、ハルみたいなストレートな人に出会ったときに、どういう感覚になっていくかというのがナカジの面白さなのかなと思いますし、他の仲間とも出会って、どこかに絞り込めない自分をどういう風に感じるのか…。もがいているんだけど、どういう自分を作っていけばいいのかという途上にいる人なんじゃないかという気がしています。

瑛太さんご自身とナカジを比較すると共通点はありますか?
ナカジ的表現、というのはあると思うんですけど、僕はもっと分かりやすいですね。そういう意味では僕はもっと素直だと思います。例えを出しちゃうとネタばれになってしまうんですけど…ひとひねりしてしまう屈折した部分がナカジにはあると思うんです。それは普段は恥ずかしくてできないことだと思います。ナカジは本能的にロマンチストだと思うんです。多分、連ドラとか観てると思うんですよ。『結構古い映画とか好きで、いくつか知ってるんだけど、連ドラなんか観ないよ』って言ってるけど、実は観てるタイプです(笑)。

そんなナカジが、桐子(井川遥)との関係が続く中、ハルと出会ったことで本当の愛に気付いていくのか、という部分も重要なポイントになりそうですね。
そうなっていくといいですよね。でも、そうならなくてもいいな、って気もします(笑)。それはまだ僕自身も分からないです。愛というものが、何をもって愛と言えるのか、っていうこともあるじゃないですか。自分が興味を、好意を持った人に好かれれば、それが愛なのか。そこで人間として満たされてすべて上手くいくのかと言ったら、絶対そうではないと思うんです。もしかしたら上手くいくかもしれないけど、それが継続するのかというと分からないですよね。そういう意味でも、どう最終回を迎えるのか、ということと、どういう過程が待っているのか、僕自身も凄く楽しみにしています。ラブストーリーとしては、すれ違いを楽しんでほしいというのはありますけど。人と人が出会って、すぐに分かり合えるもんじゃないと思うし、努力も必要だし、隠す、隠さないということも大事だと思うし…。そういう、ひとつに集約できないこととか、気持ちよさだけじゃないっていうのを、楽しんでほしいです。上野樹里さんのファンからは嫌われるかもしれないです(笑)。

上野樹里さん、ジェジュンさん、関めぐみさん、玉山鉄二さんの印象をお願いします。
上野さんとは、何度も共演させていただいていますけど、今回思ったのは、自分から役に対して近づいていこうとしてるな、って感じました。チャーミングな人だから、演じててもリハーサルをしてても楽しいですし、刺激をもらえるんです。目でお芝居をしてて、感じるってことを重要視している女優さんだと思います。ジェジュンくんは、とても素直な人だなと思いますね。ポスター撮影をしてても、自分が感じたことや思ったことを口にする時に、彼の中で、一回韓国語で思ったことを言葉にして、そこから日本語にしているからかな? きっと、彼なりに葛藤してるんだろうけど、ちゃんと前に出そうという気持ちが強いから一緒にいて気持ちいいです。関さんは…謎、ですね(笑)。ホントに人見知りなのか、役のことを考えているのか…。前に映画『アヒルと鴨のコインロッカー』で共演した時からですね。天邪鬼がいた…って感じですかね。もうひとりの関めぐみと会話してるんじゃないかという感じが楽しいです(笑)。どこかで自分とすごく向き合って、どういうふうに見えているかということを実際に感じ取りながら、「いま自分はこういう場所にいるからこうしているんです」っていう感じがします。玉山さんは…映画『銀色のシーズン』という作品のとき、雪山でずっと撮影をやったんですけど、そのとき、「お兄さんという感覚を捨てないと演じられないな」と思ってタメ口でいたんですね。そのままずっときてるから、あんまりお兄さんと思わないようにしています(笑)。とてもバランス感覚が優れている人だと思います。周りが見えていて、みんなに気を遣って、でも、自分のペースみたいなものは守りながらやっている。ブレがないな、って感じがします。

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