ゾウのはな子
- ものがたり -

昭和29年、はな子は武蔵野市の井の頭自然文化園に移されることになる。吉岡はこれがはな子との別れになった。
井の頭ではひとりぼっちのはな子。群れをなす象にとって一人になるのは最大の苦痛で、この頃からはな子の運命の歯車が狂い出す…。

井の頭に来て2年、事件は起きた。深夜酔った男が象舎に侵入し、檻の中で死亡しているのが発見されたのだ。その数年後には、飼育員を踏みつけて殺してしまうという悲劇が再び起こる。芸達者で人気者だった象は、これを境に「人殺しの象」というレッテルを貼られてしまう。以来、はな子は狭くて暗い象舎に足を鎖でつながれ、人前に出ることはなくなってしまった。

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