離婚弁護士II
-Story-
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調査を開始した大介(玉山鉄二)と紀三郎(津川雅彦)は、意外な事実を知る。浩介の会社が倒産したという2年前、浩介と千春が住んでいた家には抵当権がついていなかったのだ。そればかりか、浩介の会社は社名と所在地こそ変わっていたものの、業績はうなぎ上りだった。離婚の際の財産分与請求期限は2年で、それを過ぎると請求できなくなる。浩介は、別の女性と結婚するため、そして千春に財産や慰謝料を取られないために、偽装離婚をでっち上げていたのだ。
貴子たちからこうした事実を教えられた千春は、ヒステリックになり、とにかく金を取れ、と声を荒げた。が、そのためには、「離婚当時夫婦で築いた財産があったこと」「現在、損害賠償請求をしても浩介に払うだけの財産があること」「千春が浩介に騙されていた証拠」の3つの条件を満たし、離婚が不法行為だったことを証明する必要があった。とはいえ、弁護士といえども預貯金を調べることは出来ず、不動産なども会社名義になっている可能性が高いため、証明するのは極めて困難だった。柳田は、やるだけ無駄なのではないか、と貴子に進言した。用意周到な浩介が証拠を残すようなヘマをしているとは思えなかったのだ。同時に柳田は、妻の多恵(柴山智加)と千春のことを重ねて見てしまい、どちらかと言えば浩介に同情的だった。そんな柳田から、この話を聞かされた絵里は、自分なら依頼は受けないし、貴子がその程度なら今回の移籍話も断る、と言い切る。

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