カエルの王女さま
インタビュー vol.1
倉坂澪役 天海祐希さん
井坂忠子役 石田ゆり子さん
野々村まひる役 大島優子さん
スペシャルトーク<前編>
今回の企画を聞いたときに感じたことは?
天海
昨年、日本を襲いました心痛む出来事から、絆、命、いま出来ること…を、私を含め、みなさん考えるようになったと思います。そのときに感じたのは、私たちの仕事は即戦力ではない、ということでした。それでとても歯がゆい思いをしたんです。でも、少し時間が経って、まだ決して癒しきれているわけではないし、忘れられることではないけれども、やっと私たちの仕事がみなさまのお役に立てるような気がしてきました。少しでも、元気や笑いやいろんな感情を揺さぶれるようなことをお届けできるのではないか、と…。今回、こういう企画…人がもう一度、現状をどうにかするのは自分の心次第なんだという物語に、私自身、ハッと思うことがありました。いまの自分がいいのか悪いのか、心の持ちようも大きく作用してるんじゃないかな、と思ったりして。私がやらせていただく澪っていう人は、町を飛び出して、大きな夢、大きな希望を持っていたはずなのに、挫折も経験して…。だけど、一生懸命やった人にしか得られないものを彼女は掴んでいるんだと思います。だから、いまを何もせず諦めている人が、彼女は悔しくて仕方がないです。「やればできるかもしれないのに何故やらないんだ」っていう思い。そんな彼女のバイタリティーというか、底抜けのポジティブさ、迫力がとっても素敵だなと思ったんです。おひとりおひとりを、ドラマで幸せにすることはできないかもしれないけれど、見てくださった方の心の中が何かしら動いてくれたら、毎週、何かを感じてもらえたらいいなって思います。私たちのこの4ヵ月での成長が、シャンソンズの成長になったらいいな、と日々歌稽古しています。若い方たちは、「あら、この曲素敵ね」って思うような、初めて聴く曲もあるかもしれませんが、私にはサクッとくる曲です。毎週各種取り揃えて歌っておりますので、お茶の間で口ずさんでいただけたらと…。
石田
私はこの台本を読んだときに胸がドキドキして、すごく感動してしまったんです。澪さんを演じる天海さんがありありと目に浮かぶようで…。そして、番組を見てくれた視聴者の方が「すごく元気をもらった」と言ってくださる顔までも浮かぶようで、もう理屈ぬきに、私でよければ是非出たい、と思いました。ただ、私にとっては、歌う、踊るというのがまったく未知の世界で、自分でも「大丈夫なのか?」と思うほど未経験なんですけど、でも、大人になってからこんな風にイチからきちんと教わったり、何かを学ぶチャンスをいただけるということはとてもありがたいことだなと思ってレッスンをしています。毎日、学生のように、みなさんに会えるのがとても楽しいです。そこで感じたのは、歌を歌うって、自分自身を活性化するんですね。それが、私にとっては発見でした。家に帰ってからも、大声で歌を歌って、一緒に住んでいる犬や猫がすごく怒っているんですけど(笑)。一緒に大声を出したり、ケンカをしたりするんです。
天海
ポカーンと見てたりするんだよね。可愛い!
石田
そのくらい刺激を与えることなんでしょうね(笑)。
大島
私は、このお話をいただいたときに、色んなことを考えて自分にできるかと少し不安もあったんです。野々村まひるは内向的な役で、私とは真逆なんですけど、私も歌が好きで、だけど歌うことが実は得意じゃないんですよね、AKB48にいながらも(笑)。まひるとのそういう共通点もあって、演じたいという気持ちがより一層強くなりました。現場に入ったら主演の天海さんにビシビシ鍛えていただくつもりだったんですが、天海さんが優しい方で…。
天海
違ったかしら、イメージと? 大丈夫だった?
大島
もうちょっと怖いと思っていましたので(笑)。
天海
やっぱりね。よく言われる(笑)。
大島
とても優しい方で。
天海
そこ太字でお願いします(笑)。
大島
(笑)レッスンもホント楽しくて…。歌を歌うってことをもっと大切にしようと思うようになりました。いつもはコンサートなどで歌わせていただいているんですけど、お芝居をしながら歌を歌うってことは初めてなんです。夢である女優としてお芝居もしつつ、大好きな歌を歌うことでみなさんを元気にできるかもしれない。自分にとっては一石二鳥だなって(笑)。まひる自身が成長していく姿とシャンソンズが頑張って団結しようとしている姿がテレビを通して届けばいいな、って思っています。
お互いの印象についてお願いします。
天海
石田さんのことは、ずい分昔から知っているんですけど、いい意味で全然変わっていないなって。またこうやって、ご一緒させていただけるのはすごい楽しみです。今回は、全然色の違う、お互い相容れないものがあるような役なんです。実際は仲いいんですけど、あんまりそれが役に反映された事がない(笑)。最初はいがみ合ったりして、キーキー言いながら、子どものケンカみたいなことをやっている(笑)。だから、丁々発止しながらも、いい競い合いができたらいいなって思います。彼女の、とっても素敵なほわんとした部分、私にはあまりない部分なので、この4ヵ月で盗んでいきたい(笑)。大島さんは、いま、日本で一番忙しいじゃないですか。だから、「体調、大丈夫?」とか聞いたりして。でも、ものすごく元気に稽古に来てくれるし、私の半分くらいしかないのにものすごく元気で、彼女がいてくれると稽古場がパッと明るくなるんです。この若さのパワーに引っ張られながら、シャンソンズ、アラフォー、アラフィフ頑張っていきたいと思います。見た印象と全然変わらなくて、元気で明るくて可愛らしいし、それでいて一生懸命だし、前向きだし、本当に素敵だなって思います。
石田
天海さんは、宝塚を退団されるころからお友だちとして仲良くさせていただいているんです。演技をするもの同士としてとても尊敬しています。10年前に連ドラでご一緒したんですね、それも、フジテレビで、(今回と同じ)光野道夫監督で。そのときも思ったんですけど、とにかく、共演者、スタッフを包み込んでまとめる素晴らしいリーダーシップを持ち、かつ、すごく繊細にひとりひとりを見てらっしゃって、「この人は一体いくつ目があるんだろう?」っていうくらい、いろんなことを…。今回もそれがさらにパワーアップしていて、私は、忠子という役としては、澪さんと対等に張り合わなきゃいけないんですが、私個人の思いとしては、早く澪さんに取り込まれたくて、いま現在、全然対立できる気分じゃないんです(笑)。大島優子ちゃんは、いまをときめくAKBの方なので、共演できると知ったときは、あれも聞こう、これも聞こうって、いうのがいっぱいあったんですけど…。
天海
何を?
石田
でもほとんど聞けてなくて(笑)。「なんで、あんな爬虫類を肩に乗せてたの?」とか、ってことしか聞けてなくて(笑)。でもまだ23歳なんですよね。
大島
はい。そうです。
石田
私、23のときは、こんなにしっかりしていなかった。とても大人だと思います。
天海
ね〜!!
石田
楽しみです。よろしくお願いします。
大島
よろしくお願いします! 天海さんは、ホントにどこを歩いていても、スポットライトが当たっているような輝きとオーラを持っている方で…。天海さんが現場にいらっしゃると、安心感もあるし、共演者だけじゃなく、スタッフさん達も含めて一体感が生まれるんですよね。そんな天海さんに甘えることなく、私も頑張りたいと思っています。
天海
ありがとうございます!
大島
石田さんは、とってもおっとりしていて女性らしい素敵な方だなって思いました。その独特なやわらかい空気は、他の共演者の方にはないなと…。
天海
なんか違うよね。
石田
本当? 本当のこと言って(笑)。
天海
本当だよね。
大島
本当です!!
石田
ありがとうございます!
天海
ここも太字でお願いします(笑)。
次回<後編>に続く!
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