のだめカンタービレ
-Story-
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会場の外で、のだめは征子に声をかけた。千秋が幼いころに経験した事故について聞くためだった。
のだめは、マンションに戻った千秋に、例の懐中時計で催眠術をかけた。そこで千秋は、忘れていた事故の記憶を取り戻す。あの胴体着陸事故で、ただひとり死亡した乗客――それは、通路を挟んで千秋の右隣に座っていた老人だった。その老人は、妻と一緒にプラハまでヴィエラのコンサートを見に行ったようだった。コンサートのパンフレットを嬉しそうに見つめながら、「また来年行こう!」と妻を誘う老人の姿に、思わず笑みがこぼれる千秋。そのとき、機体が激しく揺れた。その瞬間、通路に転がり落ちる薬瓶。老人が発作に苦しんでいるのを見た千秋は、薬瓶に手を伸ばそうとした。しかし千秋は、それを拾うことはできなかった。
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