任侠ヘルパー
- 第九話 -

翼彦一(草なぎ剛)は、車椅子の鷲津莞爾(竜雷太)めがけてナイフを構え飛び込んできた四方木りこ(黒木メイサ)の腕を素早く掴んだ。りこは、自分の組を襲撃した鷲津組への報復だといきり立つが、彦一は鷲津は関わっていない、となだめる。しかし、収まらないりこは、再び鷲津に襲い掛かる。するとそこへ、和泉零次(山本裕典)が駆け込んできて、りこの腕を蹴り上げる。

彦一は鷲津を零次に託し走り去ったりこを追うが、見失ってしまう。そんなとき、羽鳥涼太(加藤清史郎)から電話がかかる。涼太は焦った様子で羽鳥晶(夏川結衣)が帰ってこないと告げ、一緒に晶を探してほしいと頼む。涼太のもとに駆けつけた彦一は、弱気になる涼太を励ましながら晶を探し、老人ホーム「ハートフルバード」にいる晶を見つける。

「タイヨウ」に戻った彦一は、鷲津の部屋を訪ねる。彦一とりこの正体を知った鷲津は、隠し持っていたドスを彦一に託し、自分の首を取れと言う。老いぼれて死ぬよりも極道らしく死にたいという鷲津に、彦一はドスの刃を喉元に近づけると、「みっともねぇこと言ってんじゃねぇ」と一喝、部屋を出ていく。そんな彦一を廊下で待っていたのは、またしても零次だった。

零次は、彦一、鷹山三樹矢(薮宏太)、黒沢五郎(五十嵐隼士)、六車雅人(夕輝壽太)、二本橋賢吾(宇梶剛士)を集めると、自分は鷹山源助(松平健)から依頼された"研修"の監視役だと明かす。零次は、鷲津が「タイヨウ」に入れられたのは、彦一らに狙わせるためで、その抗争のきっかけとして、四方木連合を襲撃したのだろうと説明。それを仕組んだのは、鷲津組のなかでも"武闘派"で鳴らす尾国辰也(鈴木一真)だと言う。

それを聞いた三樹矢は、電話にもメールにも反応がないりこが心配になり、部屋を飛び出していく。

そんな折、「タイヨウ」の入居者で、病院に入院中の山浦夏夫(峯のぼる)の息子・渉(梶原善)がきて、夏夫の看取り介護を依頼する。園崎康弘(大杉漣)は、看取り介護とは、医療的な延命措置を行わず、ただ最期のときが来るまで世話をするものであると説明。納得した渉は、書類にサインをする。やがて、病院から戻ってきた夏夫は、再び鷲津と同じ部屋に入る。美空晴菜(仲里依紗)は、家族に報告するためだといって、夏夫の様子を日記に綴り始める。

彦一は、晶の失踪事件があってから元気がない涼太を心配していた。涼太はそんな彦一に、自分と晶とともに遊園地に行こうと誘う。

同じ頃、りこの行方を探し回っていた三樹矢は、家族の墓の前でひとり立っているりこを見つける。三樹矢は、身内がやられた以上、黙ってはいられないと報復を誓うりこに、自分も同行すると宣言する。

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