任侠ヘルパー
- 第四話 -

そんな折、六車が、玲子は本名を新藤綾といい、元は父親の経営する介護施設で働いていた介護福祉士であるとの情報を明かす。しかし、施設はつぶれ父親は過労死、結果的に鷲津組からの借金を玲子が背負うことになったらしいと言うのだ。さらに、三樹矢、五郎、二本橋は、玲子がヘルパーとして通っていた家を回り情報収集。玲子が老人たちから預金の一部を盗って逃げたらしいと報告する。しかし、ヘルパーとしての評判は素晴らしく、老人たちは金を盗られたことを警察に届けていないと言う。

自分には関係ないと言っていた六車らがなぜ協力するのか、疑問を呈する彦一に六車は、玲子を野放しにすると、自分のシノギに影響が出るかもしれないからだ、とクールに答える。

それにしても、行方が知れない玲子。手がかりはないか、と思い巡らせるなか、彦一は玲子がナツと交わしていた約束を思い出す。

その約束の日、彦一とりこがやって来たのは、ナツの夫の墓だった。そして、そこで玲子を認める。自分では来られないナツに代わって墓を参ると約束したから律儀に来たのだが、来て失敗したという玲子は観念したように、自分のしたことを認める。しかし、自分はお年寄りの面倒を見ない家族に代わり世話をしたのだから、詐欺だろうが、金はもらって当然の報酬だと主張する。

彦一は、そんな玲子を施設まで引っ張ってくると、老人たちの前に押し出した。そして、詐欺師が感謝されたまま逃げるのは筋違いだ、逃げるなら憎まれて逃げろ、許してほしいなら謝罪しろ、と迫る。すると、車椅子に乗ったナツが玲子に歩み寄り、自分にやさしくしたのも金のためか、と声をかける。玲子が認めると、玲子を叩いて責めた。そして、自分の前にひざまずいた玲子をやさしく撫でながら、待っているから金を返してほしい、と語りかける。玲子は涙を流して約束をする。その後、玲子は警察に自首をし逮捕される。

同じ頃、鷹山は鷲津組の幹部と対峙し、玲子の一件から手を引くという約束を取り付けていた。たとえ自首したといっても、鷲津組と関わりがある以上、玲子は組に追われることになる―それを心配した彦一が、鷹山に頼み話をつけてもらったのだ。

後日、彦一が施設の廊下を歩いていると、フラフラとして進んでくる晶を認める。明らかに普通ではない晶に、彦一は声をかけるが、まもなく晶は倒れそうになる。彦一はとっさに晶の体を支えるが、その瞬間、ユニフォームを引っ張られ刺青を見られてしまった。彦一の顔を真っ直ぐに見つめる晶に、彦一は…。

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