任侠ヘルパー
- 第三話 -

そんな状況を知った美空晴菜(仲里依紗)は、虐待窓口に相談しようと言うが、りこは節子が喜ぶはずはない、と賛同しない。しかし、ほかに手立ては思いつかず、ふたりは途方にくれる。そんなふたりを、彦一が見るともなしに見ていた。

翌日の夜、高志が自宅に戻ると、台所に晴菜の姿があった。高志を見た晴菜は、挨拶をして家を出る。それを見送った高志は、冷たい表情で、玄関の鍵をかけた。そして、節子に手を上げようとした――そのとき、高志の腕をりこが掴んだ。りこは、晴菜と相談して、渡辺家の押入れに身を潜めていたのだ。りこは、高志を殴りつけるが、高志は包丁を手にしてりこに襲い掛かってくる。応戦するりこに高志がさらなる一撃を加えようとしたとき、その腕を掴んだ者がいた。彦一だった。

彦一らに連れられ、節子と高志は「タイヨウ」にやってくる。高志は、園崎らを前に節子の介護で追い詰められ、手を出してしまったと話すが、サービスの利用を再開するとは言わなかった。

数日後、りこの元にクスリの売人を捕まえた、と久米から連絡が入る。電話を切ったりこは、弾かれたように駆け出す。尋常ではない様子に気づいた彦一は、りこを追う。

あろうことか、高志が売人だったのだ。彦一とりこは渡辺家にやってきて、縛られて倒れている節子を見つける。まもなくやってきた救急車に、節子とともに乗り込もうとうするりこ。彦一はそれを制し、高志のほうのケジメをつけてこい、と一喝する。そして、自らが救急車に乗り込んだ。

組の者たちに制裁を加えられ、グッタリしている高志と対峙したりこは、節子を見下す暴言を吐く高志を殴りつける。そんなりこを見た久米らは、始末するといって高志を連れ出そうとした。すると、りこはそれを制し高志を自首をさせるよう命じる。久米らは反発するが、りこは譲らない。

一方の節子は、衰弱から快復し「タイヨウ」にやってきた。りこや晴菜がホッとしたのもつかの間、節子は認知症の症状が出て、暴れはじめる。節子自身にも危険が及ぶ可能性があるということで、節子は体をロープで縛られることに。それを見た彦一とりこは、やるせない気分になる。

そんなふたりの前に現れた晶は、節子を虐待から救ったのだからヘルパーとしてはよくやった、しかし、そこまでが自分たちにできる限界だと言い放った。ヘルパーは家族にはなれないのだから、と言う晶の言葉にふたりは…。

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