任侠ヘルパー
- 第三話 -

翼彦一(草なぎ剛)と四方木りこ(黒木メイサ)は、「タイヨウ」を利用する老婦人が自宅で虐待されているかもしれないと聞き、その家を訪ねる。応対したのは老婦人・渡辺節子(森 康子)と暮らす孫・高志(忍成修吾)で、日中にも関わらず節子は寝てしまったのだと話す。ところが台所で音がするのを見ると、節子が流しでコップを洗おうとしていた。その腕には、赤黒い縄目と思われるアザがあった。

施設に戻った彦一とりこは、鷹山三樹矢(薮宏太)、黒沢五郎(五十嵐隼士)、六車雅人(夕輝壽太)、二本橋賢吾(宇梶剛士)ら"任侠ヘルパー"と、ヘルパー・和泉零次(山本裕典)に虐待の疑いがあることを告げる。しかし、虐待の判断は難しく本人がそれを認めない限り、こちらが勝手に動くことはできないのだという。

節子が心配なりこは、渡辺家を訪ねるが、節子は玄関の扉越しに答えるだけだった。それでも通ううちに、少しずつ心を開き始める。

りこの来訪を知った高志は、「ハートフルバード」に直接連絡を入れ、同じことが続けば利用を取りやめると話す。施設オーナー・園崎康弘(大杉漣)や和泉らは、対応に頭を悩ませる。

彦一はりこに冷静になるよう諭すが、りこは取り合わない。そんなとき、「ハートフルバード」社長・羽鳥晶(夏川結衣)が現れ、りこの一連の言動を注意する。節子が助けを求めない限り他人のりこには何もできない、と晶からも言われるが、それでもりこの気持ちは変わらない。

りこが焦るのには理由があった。女が組長、ということでほかの組からナメられている上、りこが収める四方木組でも、若頭・久米(田中哲司)が幅を利かせはじめていた。さらに、組のシマでクスリの売買をしている素人がおり、組の中には「組がクスリを仕切るべき」と考える者たちも出はじめていたのだ。節子を助けたい、という純粋な思いだけではなく、幹部の座を持ち帰って箔をつけたい、そんな思いもりこの心中を去来していた。

一方の晶は、ひとり息子・涼太(加藤清史郎)が「タイヨウ」に彦一を訪ねてくることに戸惑いを感じていた。学校や塾に同じ年の友だちがいるだろう、という晶に涼太は「いない」と首を振る。

後日、りこは再び渡辺家を訪ねるが、節子は出てこない。何かを感じたりこは、裏口へと周り居間の戸を開けて室内へ入る。すると、節子は床に座り込み散乱した食器の破片を片付けていた。りこは、高志をかばわずに本当のことを言ってくれと訴えるが、節子は高志は唯一の家族だから、と口をつぐむ。

[次へ]

もどる
0.任侠ヘルパー TOP

(C)フジテレビジョン