任侠ヘルパー
- 第二話 -

施設に戻っても、元気がなく食事もとらない本村をヘルパーたちは心配するが、彦一は、興味がなさそうな態度をとる。そんな折、晴菜が車椅子から転げ床に座り込んでいる本村を見つける。お漏らしをしてしまった本村は雑巾を持ってくるよう頼むが、晴菜は自分がやるから、と声をかける。足も不自由だし、年なんだから、お漏らしは恥ずかしいことじゃない、という晴菜の、心からの言葉が本村に突き刺さる。そこへ、通りかかったりこがヘルプに入り、本村は部屋に帰って行く。その様子を、彦一が見守っていた。

その後、晶が秘書・日野弥生(中別府葵)、堀井皐月(安田美沙子)とともに現れ、暴力行為を行ってきた本村を退去させることにしたと報告する。それを批判する彦一に晶は、料金が安い施設が介護をするには、ヘルパーがボランティア精神で働くか、利用者が施設のレベルに合った介護を受け入れるかしかないと一蹴する。

後日、荷物の整理が済んだ本村は、部屋にやってきた彦一に、柔道関連のトロフィーや自分の写真が入ったダンボール箱を捨ててくれと頼む。そして、慣れておきたいから、と彦一にオムツを履くのに手を貸して欲しいと言う。オムツを手にした彦一は、それを床に叩きつけると、出ていってしまう。

いらついたまま、夕食の買い物に出た彦一は、その帰り道に数人の子どもにいじめられている涼太を目撃する。彦一は、しばらく様子を見ていたが、やがてズンズンと涼太に近づくと、怯む子どもたちには目もくれず、涼太の頭を引っぱたく。驚く涼太に、何でやり返さないんだ、と怒鳴る彦一。涼太は泣き出してしまうが、それを無視して彦一は立ち去ってしまう。

翌朝、彦一は本村を部屋から連れ出す。車椅子を押して近くの砂浜にやってくると、施設を出ていくなら遠慮はしない、と言って本村を砂の上に投げ飛ばす。そして、砂の上の本村を見下ろし、暴言を吐くと、立ち去ろうとする。すると、本村はゆっくりと立ち上がり、あの下手糞な投げをもう一度やってみろ、と挑発。向かってきた彦一を、鮮やかな一本背負いで投げ飛ばした。砂の上に体を起こした彦一に、お前では相手にならん、と言う本村。その表情には、笑顔と自信がこぼれていた。そんな本村に彦一は、その元気があれば、オムツはいらないだろう、と声をかける。

後日、別の施設に移った本村から、彦一にハガキが届いた。そこには、来年の柔道大会の優勝を狙いリハビリに励んでいると近況が書かれており、最後には、慣れるとオムツも悪くない、とあった。

そんな彦一の元に、緊張した顔の涼太が現れる。ジュースを買い、屋上に行くふたり。そこで彦一は、涼太に父親がいないことを知り、今度、ケンカの仕方を教えてやると言う。

ふたりが一緒にいるところ見た晶は、息子に近づかないでくれと怒りを露わにするが、彦一は涼太から来ているんだ、と言い放つ。そして、利用者に無理やりオムツを履かす晶のやり方を再び批判し、オムツを履いたら性格が丸くなるのでは、とからかうように言う――と、晶の平手が彦一の頬を打った。立ち去る晶を気にも留めず、彦一は歩き出し…。

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