任侠ヘルパー
- 第二話 -

老人介護施設でヘルパーとして働く翼彦一(草なぎ 剛)は、施設の顧問を務める羽鳥晶(夏川結衣)の効率最優先の方針に嫌気がさしていた。晶は、ヘルパーたちの負担を軽減させるため、老人たちに吸収力に優れた自社製のオムツを着用させるよう指導。自立歩行の難しい人には、本人の意思を問わずオムツを着用させろ、と言う。施設のヘルパー・和泉零次(山本裕典)は賛同するが、美空晴菜(仲里依紗)、施設オーナー・園崎康弘(大杉漣)は違和感を覚える。

そんな中、気難しいことで知られる入居者・本村幸三(津川雅彦)は、オムツの着用を断固として拒否。それでも施設で推奨されているから、と彦一がオムツを履かせようと本村に近づくと、ステッキで脚を引っ掛けられてしまう。カッとなった彦一は掴みかかるが、本村はまったく動じない。それどころか、ユニフォームの下に隠していた刺青を見られてしまう。

若頭・鷹山源助(松平健)から、絶対に正体がバレないように、と念押しされていたのに、晶の息子・涼太(加藤清史郎)にも、本村にも刺青を見られてしまった彦一は、気が滅入る。

本村は、腕っ節が強い上に乱暴で過去には殴られたヘルパーもいるらしい――と噂を聞いた四方木りこ(黒木メイサ)は、鷹山三樹矢(薮宏太)、黒沢五郎(五十嵐隼士)、六車雅人(夕輝壽太)、二本橋賢吾(宇梶剛士)ら"任侠ヘルパー"に、そんなにやっかいな老人ならば、オムツを履かせたら手柄になるのでは、と話す。そして、早速、りこ、五郎、二本橋が本村の元へ向かうが、本村を説得することができない。

翌日、彦一は園崎から、本村の外出の付き添いを頼まれる。なんと、本村の指名だと言う。不審な顔を見せる彦一に本村は、刺青のことをちらつかせ、半ば強引に彦一を連れ出す。

そして、彦一を従え駅に来た本村は、ステッキをついて立ち上がると、車椅子を預けてこい、と彦一に命じる。不自由ながらも自分の足で歩きバスに乗り、さらに歩いてやってきたのは柔道場だった。そこに、寺内という人物を訪ねるが、寺内は体を壊していて道場には来ていないと言われる。寺内は、この10年間、本村が柔道大会シニアの部の決勝で負け続けてきた人物だが、今年の大会に名前がなかったため、消息が気になっていたのだ。本村は、そのまま寺内の自宅を訪ねることに。すると、出てきたのはホームヘルパーで、寺内は室内でベッドに横たわっていた。病気のため、寝たきりになっており、意思疎通もできなくなっていた。変わり果てたその姿に、大きなショックを受けた本村は、部屋を後にする。

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