任侠ヘルパー
- 第一話 -

隼会・翼興業組長の翼彦一(草なぎ剛)は、17歳から極道一筋で生きてきたが、昨今の「暴力団追放」運動など逆風にさらされ、思うような活動ができないでいた。彦一は、自分の命を捨ててでも義理人情を貫く「任侠道」に生きたいと思いつつも、舎弟を使い"振り込め詐欺"に手を染める日々を送っていた。

そんな折、彦一は隼会若頭・鷹山組組長の鷹山源助(松平健)から呼び出される。鷹山が、死亡した8代目の告別式後に話があると言ったため、彦一は次期若頭に指名されるのでは、と内心期待する。

告別式後、迎えに来たバスに乗り込むと、そこには四方木りこ(黒木メイサ)、鷹山三樹矢(薮宏太)、黒沢五郎(五十嵐隼士)、六車雅人(夕輝壽太)、二本橋賢吾(宇梶剛士)ら、隼会の面々がいた。彦一と同様、幹部指名に期待する面々に、鷹山は「研修」を受けてもらうと切り出す。隼会と敵対する鷲津組のシマのど真ん中で「研修」をし、その働きぶりを見て幹部候補を決めるというのだ。

そんな中、バスは「タイヨウ」という老人介護施設に着いた。鷹山は困惑する面々に、ここでヘルパーとして働くように、と命令。事務室に通された彦一たちを、施設のオーナー・園崎康弘(大杉 漣)とヘルパー・和泉零次(山本裕典)が迎えた。鷹山は園崎に、彦一たちを建設会社の各支店長だと説明、経験を積ませるために「タイヨウ」で研修させてほしいと頼んでいたのだ。

彦一たちは、ユニフォームに着替え、ヘルパー・美空晴菜(仲里依紗)らとともに老人たちの世話に当たるが、まるでやる気がない。

同じ頃、介護ビジネスで成功を収める「ハートフルバード」社長の羽鳥晶(夏川結衣)は、第一秘書の日野弥生(中別府葵)、第二秘書の堀井皐月(安田美沙子)を従え、分刻みのスケジュールをこなしていた。そのため、息子の涼太(加藤清史郎)の苦悩にも気付かないでいた。

一方、控え室で寝ていた彦一は、施設に入居する老婦人・倉田チヨ(池内淳子)に顔を撫でられた。チヨには認知症があり、彦一を息子と勘違いしたのだ。彦一がそんなチヨを冷たくあしらい部屋を出ようとすると、チヨは小遣いだと言って金を差し出す。彦一は、平然とそれを受け取った。

翌日、彦一はチヨの部屋を訪ねると、息子を装い金に困っているとウソをつく。それを聞いたチヨは、再び彦一に金を渡す。その後、彦一は積極的に老人たちに話しかけ、そこから得た個人情報をノートに書き込んでいく。後日、舎弟・七海和樹(向井理)に会った彦一は、そのうちにごっそりとカモを捕まえて組に復帰すると言って、ノートをちらつかせる。

その日の就業後、彦一はチヨから巻き上げた金で買った高級時計をして出かける準備をする。ところが、財布の中に金がない。再び、チヨを訪ね金を無心するが、チヨは手持ちがなく、明日、銀行で下ろしてくると言う。すると、彦一はチヨをコンビニに連れて行き、ATMで金を下ろしてこいと言う。ところが、残高不足で下ろすことができない。ショックを受けたチヨはその場で泣き崩れ、その後、彦一が目を離した隙に姿を消してしまう。

施設に戻った彦一は、零次に激怒されるが、まもなくチヨが保護されたとの連絡が入る。

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