虹を架ける王妃
-あらすじ-

1907年母国を離れ日本へ行くまだ11歳の垠を、母の厳妃(イ・ヘイン)はひどく心配していたが、父・太皇帝(キ・ヨンホ)も、もはやその提案に逆らうことはできない。しかし、幼いながらも垠は、侍女の天喜(チョン・イクリョン)と共に宮廷の庭を歩き「もう戻ってはこれないかもしれない」と故郷の石を一つ拾い収め、自分の運命を静かに受け止めたのだった。1910年、日韓併合条約により日本に併合された朝鮮王朝。そして、今度は垠に日本皇族との婚礼の話しが持ち上がる。垠に仕える事務官の高(渡辺いっけい)も、垠の複雑な心中を思うが、この時も垠は故郷の父母を思いながらも一人この決定を受け止めたのだった。
一方、梨本宮家にとっても異国の皇太子との結婚は思いもよらぬことだった。将来は東宮さま(後の昭和天皇)の妃にと望んでいた母も動揺を隠せない。しかし、「お国のために」と言う波多野敬直(山本学)の申し出に、父はこの結婚を了承。そして方子は、新聞の記事で初めて自分の婚儀を知らされる。

何も知らぬ者同士、政治に操られた国が決めた結婚。だが度々梨本宮を訪れ、同じ時を持つようになった方子と垠の間には、確かな愛情も芽生えはじめていた。
しかし、婚礼を直前にした1919年のある日、垠のもとに父・26代高宗皇帝、急病の知らせが届いた。そして間もなく父は崩御。日本による暗殺とのうわさが流れ、この時から、再び激しさを増した抗日運動。そして荒れ狂う反日感情を目の当たりにした垠は、方子に婚儀を白紙に戻すことを提案する。だが、すでに垠の人間性にひかれ結婚の決意をかためていた方子は、「わたしは国に嫁ぐのではありません。殿下のお心に嫁ぐのだと思っています。殿下と私の仲さえ確かなものならば、二つの国もいつか慈しみあい、敬いあう事ができるようになるはずです」と、思いを打ち明けるのだった。
そして婚儀の日を迎える二人。 だが、この結婚により、二人は時流に翻弄される数奇な運命をたどることになるのだった…。

※ このドラマは事実をもとにしたフィクションです。
※ 敬称を省略させていただいております。

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