メイちゃんの執事
*… 第8話(3/4) …*

仲本家に居座っていたローズは、アルバイトから戻ったメイのためにうどんを打った。それは、メイの両親が作ったうどんに似た味だった。ローズは、驚いているメイに、彼女の母親・ユウの話を始めた。実は、ローズとユウは、聖ルチア女学園の同級生で、親友同士だったというのだ。ユウは名門・東雲家の令嬢だったが、東雲家が事業に失敗し、何もかも失って学園にもいられなくなったのだという。そんなユウがひとつだけ手に入れたのは、メイの父・周太郎だった。ユウは、許婚がいるにもかかわらず、周太郎への思いを諦めなかった。その思いが通じ、周太郎は、本郷家の地位も財産も捨ててユウと生きる道を選んだのだ。戦う意思のないものに幸せはめぐってこない――ローズは、以前、メイに告げた言葉を再び口にした。

理人が教室で本を探していると、そこに忍が現れた。忍は、苦しみから逃げた理人をあざけり、腰抜け呼ばわりした。しかし理人は、何も言い返すことができなかった。

剣人は、買い物袋を下げたメイと歩いていた。が、剣人が何を話しても、心ここにあらずのメイ。立ち止まった剣人は、お前はどこにいて誰と話しているのか、と問いかけた。「今のお前、俺の知ってるメイじゃねぇよ。俺の好きなメイは…」。剣人は、悔しそうにそう言って、ひとりで帰ってしまう。

その夜、理人は、空き部屋になったメイの部屋で彼女のことを思っていた。

同じころ、剣人も、砂浜で海を見つめながらメイのことを考えていた。倒れるように砂浜に寝転ぶと、「どうすりゃいいんだよ!」と叫ぶ剣人。しばらくそのまま動かなかった剣人は、ふいに起き上がり…。

その翌日、強い決意を秘めた表情で聖ルチア女学園を訪れた剣人は、理人と対峙する。剣人は、ちゃんと決着をつけなければ、メイの中にいる理人も、理人の中にいるメイも消えない、というと、いきなり理人に殴りかかった。泉やリカは、ふたりの争いを止めようとした。それを制したのは、青山と木場だった。

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