わたしたちの教科書
━- ストーリー -━
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夜になってようやく起き上がることが出来た耕平は、職員室に戻った。コースターの裏には、ロッカーの番号らしき数字が書かれていた。保管庫に向かった耕平は、コースターに書かれていたロッカーの数字を入力した。するとその中には、無数の陰湿な言葉が書きなぐられている教科書とノートが入っていた。

学校を飛び出した耕平は、珠子の留守番電話にいますぐ会いたい、と残し、『ぶらじる』に向かった。その途中、兼良の姿を見つけた耕平は、彼の後を追った。土手の上に立って下を走る道路を見つめていた兼良に声をかける耕平。兼良は、涙を流して泣いていた。彼が見つめる先には、1台の車が止まっていた。そこに乗り込んだのは、兼良が写真を撮っていた女子高生だ。兼良の父親が、女子高生を金で買っていたのだ。

兼良は、走りだした車に向かって飛び込もうとした。必死に兼良を止める耕平。兼良は、そんな耕平を押しのけると、「汚い手で触らないでください」と言い放つ。耕平も、父親と同じように自分を裏切った、薄汚れた大人だというのだ。「加地先生は、僕たちが藍沢明日香さんを殺したと思っているんですよね」。そう言って、悲しげな目で耕平を見つめる兼良。クラス全員が、自分たちのことを犯人扱いする耕平のことを嫌っている、というのだ。兼良の言葉に、耕平は愕然となった。

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