わたしたちの教科書
━- ストーリー -━
[3/8]

そんな折、喜里丘中学でまたしても奇妙な事件が起きる。校庭一面に、画びょうがばら撒かれていたのだ。戸板(大倉孝二)から報告を受けた早紀(真木よう子)は、耕平と希美に画びょうを撤去するよう命じる。ところがそのとき、希美のロッカーの中から空になった画びょうのケースが大量に発見される。希美は、誰かが自分を罠にはめようとしている、とうろたえた。

千葉のとある漁村を訪れた珠子は、庭先で畑仕事をしていた謙太郎の父・惣次郎(山本學)に声をかけた。しかし惣次郎は、珠子を見るなり険しい表情になり、謙太郎に会いたいという彼女の申し出も拒絶する。玄関先にある男物の靴に気づいた珠子は、そんな惣次郎の言葉を無視して、勝手に家の中に入った。ところが、そこで彼女が見たものは、あまりにも変わり果てた謙太郎の姿だった。謙太郎は、若年性の認知症を患っていたのだ。しかも、彼が発症したのは、珠子と結婚したばかりのころだった。「あいつがあんたの前からいなくなったのは、病気のことを知ったからだろう」。惣次郎の言葉に、珠子は大きなショックを受けていた。7年間、謙太郎のことを恨んで生きてしまった、と…。珠子は、無表情で靴を磨き続ける謙太郎に、明日香が死んだことを伝えた。しかし、謙太郎は、何の反応も見せなかった。

[前へ|次へ]

もどる
0.わたしたちの教科書 TOP

(C)フジテレビジョン