わたしたちの教科書
━- ストーリー -━
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帰り道、耕平は、明日香の件は慎重を期して前向きに調査する、と珠子に告げる。すると珠子は、「そういうのをもみ消すっていうのよ!」と言い放ち、明日香と暮らしたときの話を始めた。結婚相手に逃げられ後、残された明日香の養育を放棄したこと。珠子と自分はそっくり、と書いた明日香の作文を彼女の目の前で破り捨てたこと。3ヵ月目に自ら手配して明日香を児童養護施設に入れたこと…。最後の朝、珠子に連れられて児童養護施設に向かった明日香は、旅行しているみたいだ、と笑顔を見せたのだという。その途中で買ったたい焼きを一緒に食べたときは、珠子も自分と同じように尻尾から食べることを知って、「同じだね」とうれしそうに何度も言ったらしい。別れのとき、明日香は「ありがとう、珠子さん!」と叫んでいつまでも手を振っていたという。その姿を道路のミラー越しに見た珠子は、振り返ることができず…。
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