黒部の太陽
- 教えて!黒部ダム -

⇒破砕帯とは

北アルプスの中央、標高1500メートル以上の高地となる黒部川の上流は当時まだ前人未踏の地だった。糸魚川から静岡の構造線、フォッサマグナと呼ばれる大断層地帯の存在により黒部川上流には、複雑な断層群が生じていた。破砕帯は、トンネルを掘り進める内にぶつかってしまった、岩盤が非常にもろく崩れやすい一帯を指す。大町ダム工事の最中に破砕帯にぶつかり、さらに北アルプスの中に眠っていた何トンという水が噴き出し、掘削中のトンネル全体がつぶれそうな圧迫を受けた。

当時、このマイナス4度という冷たい水に腰まで浸りながら作業を続けた。どこまで破砕帯が続いているのか誰も予測できず、ただいつか破砕帯を抜ける日が来ることを信じひたすら冷水の中、岩盤が崩れないよう慎重に人力により作業を進めるしかなかった。大町トンネル貫通を断念するしかないのか、という工事中最大の危機となった。

黒部川第四発電所 建設工事とは…

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