黒部の太陽
- 教えて!黒部ダム -
⇒黒部川第四発電所 建設工事とは…
昭和30年代、深刻なエネルギー不足に悩まされていた日本を救うため、日本最大、世界でも第四位という貯水量を誇る巨大ダム、黒部川第四発電所に関西電力は着工した。
ダムが建設される黒部川上流は北アルプスの中央、標高1500メートル以上の高地、そこにはフォッサマグナに沿った地質学的にも未知なる地帯、その作業は想像を絶する苦難の連続であった。
今回ドラマで描かれる「大町トンネル」貫通までの苦難の道のりは、「黒四発電所」建設のために必須かつ最大難関事業の一つだった。
戦後、復興を成し遂げ経済成長を計るため、決定的な電力不足問題を解決しようと関西電力が一大ダムの建設を乗り出し、多くの調査員がその前人未踏の黒部川上流に足を踏み入れた。「黒四」の名前が示すように黒部川流域の電力開発はさらに時代をさかのぼる。
黒部川電力が完成するまでには、大正から昭和へという長きにわたる道のりを要したのである。黒部川流域に、柳河原発電所、黒部川第二発電所、第三発電所、黒四発電所、そして新黒三、新黒二の竣工に至るまで、前人未踏の黒部川流域への様々な調査、工事が繰り返され、多くの人々の汗と涙が流された。
「黒四発電所」建設を決定した関西電力は実績のある建設会社に請負を依頼するや、沽券に関わるとばかりに皆話しを受けようとするのだが、いざ見積もりとなると「未知」の黒部川流域相手に算段がつけられずにいた。関西電力は入札方式をやめ、提案した数字を無条件に受けてもらう、「特命」で行くこととする。特命の5社が決定する。
第一工区は間組、第二工区は鹿島建設、第三工区は熊谷組、第四工区は佐藤工業、第五工区は大成建設に請け負ってもらうことに決定、綿密な準備、計画のもと、ついに昭和31年に工事開始、各社が全力でこの大建設事業に向かっていくこととなる。
それぞれの持ち場で誰もが前代未聞の事態と向き合い、苦難の連続に襲われながらも決して逃げることなく「黒四発電所」完成をひたすらに目指した結果、ついに当初の予定、予算を大幅に上回りながら、7年の歳月の末、ついに昭和38年、完成に至る。
⇒破砕帯とは
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