硫黄島 戦場の郵便配達
硫黄島ロケ日記
2006年11月21日…
慰霊の様子を取材するために、ご遺族の方々と硫黄島へ向かいました。
埼玉県にある航空自衛隊入間基地からC-1輸送機に乗り2時間あまりの空の旅でした。
といっても、旅客機とは違う無骨な自衛隊の輸送機。
シートはアウトドア用イスのようなナイロン製の簡易シートです。
15人余が横一列に座る通勤電車式のベンチシートが3列機内に取り付けてありました。
ちなみに、リクライニング機能はありません。
飛行中は、防音設備が無いためにジェットエンジン音が機内に響きわたり、隣の人と会話をするには、耳元に大声で叫んでやっと通じるといった状態です。
窓は無いに等しいので、硫黄島の姿を直接見ることは出来ません。
ご遺族の方は、さぞ残念だったのではないかと思います。
硫黄島で目に焼きついたのは、南国の太陽の下、光り輝くように咲くハイビスカスです。
これ以上ないと思われる程の鮮やかな紅色。
硫黄島が戦場だった当時も美しい花は咲いていたでしょう。
(もっとも、米軍の爆撃で島の緑は全て焼き尽くされたと聞きましたが)
蒼い海を背景に、その鮮やな紅色の花が咲く場所で砲弾や爆弾が炸裂したのだと想像すると、映画やドラマの中の色あせた過去の出来事だと思っていた戦争が、現実の事のように胸に迫ってきました。
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