イノセント・ラヴ
-Story-
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別の日、駅の清掃をしていた佳音の前に昴が現れた。佳音に、待遇面などで問題はないか、聞きにきたらしい。そこで昴は、佳音が殉也のためにサンドイッチも作ったりしていることを知って驚いていた。が、多忙な殉也の健康を気遣ってくれる人がいた方がいい、と感謝する。そんな昴に佳音は、殉也には恋人はいないのか、と尋ねる。すると昴は、殉也には忘れられない恋人がいたが、いまはひとりぼっちだ、と答えた。
殉也の家を訪れた昴は、ベッドの上の聖花を見つめていたかと思うと、ふいに彼女につながれているチューブに手をかけ、外そうとした。が、その瞬間、ドアが開き、殉也が入ってきた。昴は、チューブから素早く手を離すと、何事もなかったかのように振舞った。
佳音は、殉也のために手作りのサンドイッチを用意し、彼の家へと急いだ。同じころ、殉也は、ベッドの上の聖花に話しかけていた。もう何をしても無駄なのではないか、と思い、諦めかけていたことを詫びる殉也。「でも、違うんだよな。聖花はわかってる。俺の迷う気持ちも、全部感じてる」。殉也は、そういって聖花を抱きか抱えると、ピアノの前まで連れて行った。
殉也の家に着いた佳音が玄関チャイムを押そうとすると、ピアノの音が聞こえてきた。窓の方からそっと中を覗いた佳音が目にしたのは、殉也に寄り添うようにしている聖花の後姿だった。佳音は大きなショックを受け…。
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