拝啓、父上様
-ストーリー-
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翌日、「坂下」に行かない一平はゆっくりと起き出し憂鬱な気持ちを抱えたまま神楽坂の街をぶらぶらと歩く。本屋で雪乃がモデルになっていると噂の津山冬彦(奥田瑛二)の小説『甃(いしだたみ)の町』を買い「カナル・カフェ」へ行くが、そこにシャク半が現われた。殴ってしまったことを詫びて帰るシャク半を見送った一平は、レジ付近でもめている男女を目撃する。その女性がリンゴを落としたあの少女(黒木メイサ)だと気付くと、少女も一平に気づき駆け寄ってきて突然手を取り走りだした。男から逃げ切り日仏学院のカフェに入った2人。少女は"唐沢ナオミ"と名乗るが、最初に会った時と同様にフランス語を話す。日本語で話さないかという一平にナオミはパティシエの勉強をしてパリへ行くためにフランス語を勉強中で、月・水・金曜はフランス語しか話さない日だと決めていると書いて説明する。一平は日本語、ナオミはフランス語と筆談という奇妙な会話だったが、携帯電話の番号を聞かれ、さらに勤めている店に遊びに来てと書き残して去ったナオミに一平の憂鬱な気分は吹っ飛んでいた。
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