不毛地帯
- 最終話 -
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近畿商事は、副社長の壹岐正(唐沢寿明)、エネルギー部門の担当常務である兵頭信一良(竹野内豊)を中心に、イラン・サルベスタン工事の掘削を開始した。だが、60億円もの費用を投じて4本の井戸を掘ったにもかかわらず油田を掘り当てることはできなかった。その最中、最後の望みを託した五号井が、ガス暴噴を起こしたとの連絡が入る。それ以来、現地からの報告は途絶え、電話も繋がらない状態が続いたため、壹岐は焦りを隠せなかった。

2日後、壹岐のもとにようやく現地にいる兵頭からの連絡が入る。2日間に及ぶ徹夜の作業で、五号井はようやく正常循環に戻ったという。壹岐は、ガス暴噴は油がある兆候だという兵頭の言葉を信じ、すべてを彼に任せて掘削の再開を指示する。

そんなある夜、壹岐のもとに東京商事の鮫島辰三(遠藤憲一)がやってくる。そこで鮫島は、近畿商事社長の大門一三(原田芳雄)が綿花相場で苦戦している話を切り出した。近畿商事のメインバンクである第三銀行の頭取が、その件で大門のことを心配していた、というのだ。

あくる日、綿花部長の伊原(上杉祥三)は、大門に進退伺を出す。綿花相場で49億円もの損失を出した責任を取って、大門を守ろうというのだ。しかし大門は、皆に知られて逆に自分の立場が悪くなる、といって伊原が出した進退伺を破り捨てた。
大門は壹岐を呼び出し、伊原に進退伺を出すよう迫ったのではないか、と問いつめた。壹岐は、それを認めると、早急に綿花相場から手を引いてほしいと大門に迫った。聞き入れられない場合は役員会議で決議を出す、という壹岐の言葉に危機感を抱いた大門は、タクボ工業を訪れ、里井達也(岸部一徳)に会った。そこで大門は、壹岐を近畿商事から出すのなら戻る、という里井が出した条件を聞き入れると約束する。

別の日、壹岐のもとに、アメリカ近畿商事の海部要(梶原善)、八束功(山崎樹範)がやってくる。海部らは、千代田自動車とユナイテッドモーターズの提携を進めており、ようやくユナイテッドモーターズ側が会合の席についてくれたのだという。

サルベスタンでは五号井の採掘が進められていたが、依然、石油が出る兆候はなかった。そこにやってきたオリオン・オイル社のリーガン会長(チャールズ・グラバー)は、リスク覚悟で水圧破砕を試すべきだと主張する。水圧破砕は、威力がある分、予期しない地層の崩壊を招く危険性もあった。が、リーガンは、すでに損益ラインをオーバーしている以上、このまま石油が出るのを待つだけなら降りる、というのだ。決断を迫られた兵頭は、しばらく考えた後、水圧破砕にすべてを賭ける覚悟を決める。

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