不毛地帯
- 第十四話 -
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そんな中、東京商事の鮫島辰三(遠藤憲一)が貝塚のもとを訪れた。東京商事もサルベスタン鉱区を狙っていたのだ。貝塚の話から、サルベスタン鉱区に関してはすでに近畿商事が支持を取り付けていることを知った鮫島は、五菱商事専務の神尾(名高達男)、五井物産の専務・有田(大門正明)を呼び出し、共闘を呼び掛けた。
自宅療養中だった副社長の里井達也(岸部一徳)は、業務本部長の角田保(篠井英介)から石油開発の話を聞かされる。里井は、事後報告だったことに腹を立て、今後は詳細を報告することを角田に約束させる。
壹岐は、入札準備のために貝塚に連絡するが、外出中とのことで会うことができなかった。その夜、帰宅した壹岐が食事をとっていると、そこに千里が訪ねてきた。「会いたかった…」。壹岐に抱きしめられながら、千里はそうつぶやいた。
あくる朝、壹岐は、千里が用意した朝食をとっていた。そこにやってきたのは鮫島直子(多部未華子)だった。母の仏壇にお供えを持ってきたのだという。壹岐は、そんな直子に千里を紹介し、「つい今さっき、見えられたんだ」と言ってその場を取り繕おうとした。直子が帰った後、無言で食事をとる壹岐と千里。次に誰かが来たら今度はどう取り繕うのか、という千里の言葉が壹岐の胸に突き刺さった。
数日後、貝塚から連絡を受けた壹岐は、日本石油公社に向かった。だが、通された会議室には、すでに神尾と有田が待っており、ほどなく鮫島も現れた。そこにやってきた貝塚は、サルベスタン鉱区の国際入札は、五菱商事、五井物産、東京商事、近畿商事の四社連合で臨むと言い出す。しかもその出資比率は、他社が一律30%であるのに対し、近畿商事だけが10%という屈辱的なものだった。壹岐は、激しい怒りに震えて…。
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