不毛地帯
- 第十一話 -
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里井は、心臓病では世界有数の病院に運ばれたこともあって、幸い大事には至らなかった。が、検査を担当した医師は、心筋梗塞に移行する恐れもあることから、今後は海外出張などを控え、副社長のポストからも退くようアドバイスする。しかし里井は、フォーク社側調査団の来日が控えているのにのんびりしているわけにはいかない、といって強引に退院しようとした。そこで壹岐は、来日を延期するようフォーク社側と交渉する、と里井に告げる。

壹岐たちは、里井がカゼをひいて熱を出したことにして、発作で倒れたことを伏せる。が、毎朝新聞の記者・田原秀雄(阿部サダヲ)は、渡米したはずの里井が帰国していないことに何かを感じたようすだった。

そんな中、壹岐は、部下の塙四郎(袴田吉彦)に、ロサンゼルスに滞在している秋津千里(小雪)の相手を頼む。塙は、千里をサンタモニカの海に案内し、食事に連れていった。その席で塙は、壹岐の妻だった佳子(和久井映見)の思い出話をする。海部要(梶原善)が壹岐に再婚を勧めているが亡くなった佳子に代わり得る人はいない、と塙は千里に言った。

里井は、角田から、田原が千代田自動車の件で大門に接触してきたこと、そして副社長の一丸松次郎(山田明郷)が里井の病気に関して本当にカゼなのかと言い出していることを教えられる。それを聞いた里井は、明日日本に帰国する、と言い出す。里井の体を心配した壹岐は、それを止めようとした。しかし里井は、心配するふりをしながら本当は心臓病患者というレッテルを貼りたいだけではないのか、と壹岐にかみつき、聞き入れようとはしなかった。

あくる日、壹岐たちは、空港まで里井の見送りに行く。里井は、フォーク調査団を迎えるために近々日本に行く予定になっていた八束功(山崎樹範)を同行させる、という壹岐の申し出を断り、ひとりで帰国した。

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