不毛地帯
- 第五話 -
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ある晩、壹岐は、秋津千里(小雪)と再会する。千里は、比叡山に籠っている兄・清輝(佐々木蔵之介)のことで壹岐に相談したいことがあるのだという。実は、清輝は、結核を患っていた。しかし、千里の説得にも応じず、修行を止めようとはしないらしい。壹岐は、そんな千里に、大阪に出張したときは必ず時間を作るから、一緒に比叡山に行こうと約束した。
食事をともにした壹岐と千里は、クラブ『ル・ボア』を訪れた。するとそこに、インドネシア華僑の貿易商・黄乾臣(石橋蓮司)の第二夫人となり、ジャカルタで暮らしていたはずの紅子(天海祐希)が姿を現す。紅子は、ガールフレンドに会うのは初めてだ、と言って壹岐のことをからかった。千里を気遣い、失礼だ、といってたしなめる壹岐。すると千里は、そんなことはない、ときっぱりと言い切る。

帰ろうとする壹岐を引きとめた紅子は、中東情勢の話を切り出した。黄と結婚してから、いろいろと情報が入ってくるのだという。そこで紅子は、イスラエルの情報は国際ロビイストの竹中莞爾に聞けばわかるかもしれない、と壹岐に告げる。

壹岐は、千里をホテルまで送り届けて帰宅した。すると、壹岐に遅れて、長女の直子(多部未華子)も帰ってきた。直子を送ってきた男性が、鮫島の息子・倫敦(石田卓也)だと知った壹岐は、ふたりの交際に強く反対する。

昼夜を問わず情報収集を続けていた業務本部は、中東戦争の可能性がさらに高まっていることを知る。一方、壹岐は、竹中莞爾から紹介された日東交易という会社の社長・安蒜公一(団時朗)を訪ねる。安蒜は、イスラエル産農作物の輸入を手がけているが、イスラエル側から大量の錫とゴムの発注を受けたのだという。壹岐は、会社に戻り次第手を打つ、と約束し、安蒜からイスラエルの情報を聞きだした。安蒜も、ここ1週間のうちに戦争が勃発し、イスラエルの勝利で短期のうちに終結するとにらんでいた。

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