不毛地帯
- 第四話 -
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ところが、壹岐が会社に戻ってみると、状況が大きく変わっていた。すでに、大門一三(原田芳雄)は里井に対し、防衛庁から入手した書類をすべて捜査二課に提出するよう指示していたのだ。事態を収拾するために久松と自由党幹事長の三島(神山繁)が動き、近畿商事が入手した書類をすべて提出することで、検察庁と防衛庁の貝塚官房長を抑えたからだった。しかも、近日中に国防会議が非常招集され、第2次防FX はラッキードF104に正式決定することになっているのだという。

それを聞いた壹岐は、書類の提出はもはや形式的なものであることは明らかだとし、提出する書類の取捨選択をさせてほしい、と大門に願い出た。書類の中には、防衛庁のどこから流れたのかがわかってしまうものがあるからだ。しかし大門は、すでに防衛庁の警務隊が漏えいした書類をすべて把握していることを理由に、断固としてそれを許可しなかった。

今回の事件で、第2次防FXは、グラントのスーパードラゴンF11に逆転決定すると信じていた鮫島は、ラッキードに決定した、という貝塚からの連絡に声を荒げた。実は貝塚は、三島幹事長から、近畿商事の件を見逃せば防衛次官に昇格させる、と持ちかけられていたのだ。電話を切った鮫島は、机の上に飾ってあったスーパードラゴンF11の模型を叩き割って悔しがった。

あくる日、川又は、貝塚から呼び出される。そこで貝塚は、近畿商事に漏えいした機密書類が川又のものだったこと、芦田が川又の指示で書類を持ち出したと証言したことを受け、その責任を厳しく追及する。怒りをこらえ、貝塚のような人間が官房長のポストにいること自体が自衛隊の悲劇だ、と言い残して立ち去ろうとする川又。貝塚は、そんな川又に、明日付けで防衛部長を解任し、今回の一件を央警務隊長が直々に取り調べることになっている、と告げた。

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