不毛地帯
- 第三話 -
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防衛庁の第2次防FX(=次期主力戦闘機)受注をめぐり、激しい戦いを繰り広げていた壹岐正(唐沢寿明)は、東京商事航空機部の鮫島辰三(遠藤憲一)が総理に流していた賄賂『G資金』のルートを解明するとともに、防衛庁から極秘文書であるグラント社のスーパードラゴンF11の価格見積表を入手する。これによって、ラッキード社のラッキードF104を推す壹岐たち近畿商事が勝利するものと思われた。

ところがその矢先、アメリカの空軍基地でテスト・フライト中だったラッキードF104が墜落事故を起こすという事態が発生した。近畿商事社長の大門一三(原田芳雄)は、一刻も早く墜落の原因などの詳しい情報を集めて対策を練るよう、東京支社長の里井達也(岸部一徳)に命じた。

同じころ、鮫島は、防衛庁官房長の貝塚道生(段田安則)に、ラッキードF104の欠陥データと墜落現場の写真を入手したことを報告していた。すでにそれらは、毎朝新聞記者の田原秀雄(阿部サダヲ)の手に渡っていた。

田原は、さっそく防衛庁の川又伊佐雄(柳葉敏郎)に取材を申し込んでいた。田原は、米軍の名パイロットでも事故を起こすような戦闘機を、日本のパイロットが乗りこなせるのか、などと川又に聞いてきたらしい。それを知った壹岐は、田原が握っているデータを把握するために、自ら彼に接触した。そこで田原は、ラッキードF104には致命的な欠陥がある、と壹岐に告げる。壹岐が会いにきたことで、彼が近畿商事の影の航空機部部長であることを確信した田原は、明日の朝刊を楽しみにしていてほしい、と言い残して去っていく。

その夜、壹岐は、旧知の仲である経済企画庁長官・久松清蔵(伊東四朗)を訪ねる。壹岐は、毎朝新聞の件を伝え、どうにかして記事を抑える策はないか、と久松に頼みこんだ。久松は、「君にも泥水を飲んでもらわなければならないよ」と壹岐に告げた。

一方、鮫島は、とあるクラブで壹岐の部下・小出宏(松重豊)が、防衛庁の芦田国雄(古田新太)の接待をしていることを知り、領収書の写しなどを入手していた。

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